05 君と居られることに、感謝を。



結婚式は盛大に行われた。白い鳩が上空を舞い、鮮やかな洋服の子供たちが祝福の歌を歌う。
ラッパや太鼓の音色が広場に溢れ、誰もが皇女と王子の結婚に舞い上がった。

「今までありがとう、ジ―ル。これからも、いっぱい迷惑かけるけど、よろしくね」

言って彼女は従者にブーケを手渡した。

「次はあなたの番。どうか幸せな恋を」

ジール、と呼ばれた従者は、

「はい」

と静かに笑った。
彼女の結婚が決まっても、彼女の護衛をしたいと名乗り出たのは彼からだった。
彼女も彼女の父も、引き続き彼に頼もうと思っていたから、別段問題は無い。

―――例え貴女が忘れても、オレは忘れないから。

従者は姫にかしずく。

「ロナ姫も、どうかお幸せに・・・」

―――君と居られることに、感謝を。

いつかこの悲しい想いが、大切な思い出になるはずだから。



















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